太陽光発電が環境破壊? 再エネ賦課金と環境破壊の闇

太陽光発電は、クリーンで再生可能なエネルギーとして注目を集めています。しかし、その一方で、太陽光パネルを設置するために大規模な森林伐採が行われ、「ハゲ山」が増加しているという問題があります。太陽光発電の普及に伴う環境破壊の実態と、再エネ賦課金の仕組みについて取り上げます。

目次

太陽光発電の現状と課題

日本では、2012年に再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)が導入されて以来、太陽光発電の導入量が急速に拡大しました。2020年度末時点で、太陽光発電の累積導入量は約6,700万kWに達しています。

しかし、太陽光発電の急速な普及に伴い、いくつかの問題点も浮上しています。

  1. 適地の不足:太陽光パネルを設置するには広大な土地が必要ですが、日本は国土が狭く、平地が少ないため、適地が不足しています。
  2. 森林伐採による環境破壊:適地不足を補うために、山林を伐採して太陽光パネルを設置するケースが増えています。その結果、「ハゲ山」と呼ばれる景観の悪化や、生態系への悪影響が懸念されています。
  3. 設備の劣化と廃棄問題:太陽光パネルの寿命は通常20〜30年ですが、設置後の管理が不十分なため、早期に劣化するケースが多くあります。また、将来的に大量の太陽光パネルが廃棄物となることが予想され、適切な処理方法の確立が急務となっています。

再エネ賦課金の仕組みと問題点

FIT制度では、再生可能エネルギーで発電された電力を、国が定めた固定価格で一定期間買い取ることを電力会社に義務付けています。この買取費用は、電気料金に上乗せされる「再エネ賦課金」という形で、国民が負担しています。

2021年度の再エネ賦課金は、1kWhあたり3.36円で、一般家庭の月額負担額は平均約750円となっています。再エネ賦課金は年々増加傾向にあり、国民の負担が重くなっていることが問題視されています。

また、FIT制度では、発電事業者に対して高い買取価格が保証されているため、太陽光発電の乱開発を助長しているという指摘もあります。適切な規制がない中で、環境に配慮しない事業者が参入し、短期的な利益を優先した結果、「ハゲ山」問題が深刻化しているのです。

環境破壊の実態

太陽光発電所の建設に伴う森林伐採は、各地で大きな問題となっています。例えば、宮崎県では、県内の太陽光発電所の7割以上が森林を伐採して建設されたと報告されています。

森林伐採は、景観の悪化だけでなく、生態系にも深刻な影響を及ぼします。樹木が失われることで、動植物の生息地が奪われ、生物多様性が損なわれます。また、森林の持つ水源涵養機能や土砂災害防止機能も失われ、自然災害のリスクが高まります。

こうした環境破壊は、太陽光発電の本来の目的である「持続可能な社会の実現」とは相反するものです。再生可能エネルギーの普及は重要ですが、環境への配慮を欠いた開発は本末転倒だと言わざるを得ません。

対策と今後の課題

「ハゲ山」問題を解決するためには、まず、適切な立地規制を設けることが重要です。環境への影響が大きい森林伐採を伴う開発は、原則として認めないようにすべきでしょう。

また、太陽光パネルの設置に際しては、周辺環境との調和を図り、生態系への影響を最小限に抑える工夫が求められます。例えば、パネルの配置を工夫したり、緑化を施したりするなどの対策が考えられます。

さらに、太陽光パネルの耐用年数を把握し、計画的な維持管理や更新を行うことも重要です。将来的な廃棄物問題を見据えて、リサイクルシステムの構築にも取り組む必要があります。

再エネ賦課金については、国民の理解を得ながら、適切な水準に設定することが求められます。また、FIT制度の運用に際しては、環境に配慮した事業者を優遇するなどの工夫も必要でしょう。

おわりに

太陽光発電は、化石燃料に代わるクリーンなエネルギー源として大きな期待が寄せられています。しかし、その普及には、環境破壊という負の側面もあることを忘れてはいけません。

「ハゲ山」問題は、再生可能エネルギーの是非を問う重要な論点です。環境と調和した持続可能な社会を実現するためには、太陽光発電の適切な運用と仕組みづくりが不可欠です。

クリーンエネルギー作りのための事業が結果的に山を切り崩し環境破壊につながっているような本末転倒な状況に真摯に向き合い、利権優先の事業ではなく、本当に環境にやさしい仕組みづくりのために貴重な資金、税金が使われるよう監視できる国の仕組みづくりが必要であり、おそらく今の日本には環境に限らず一番欠けている部分であることは既に多くの国民が意識し始めていることと感じています。
私たち一人ひとりが、この問題について関心を持ち、理解を深めることが、よりよい未来を築く第一歩となるのではないでしょうか。

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